工務店スタッフブログ

ヒロシブログ
No,271
 軒の意味

軒を知る

こんにちは。グリーンウッドのひろしです。

今日は”軒”についてのブログを書きたいと思います

みなさんがイメージする住宅に軒ってありますか?

家造りを始めた時に軒のことなんて考える人はなかなかいませんか(笑)

そもそも軒ってなんて読むのか?から入る人も多いのかもしれません。

軒とかいて(のき)と読みます。

最近は軒の無い住宅が増えましたが、日本は四季があるので軒を上手く使って住宅を建築する必要があります。

”いにしえ”から軒がある理由を知る

この写真は映画 るろうに剣心 で撮影の舞台になった場所で、神戸市の淡河という地域にある建物です。

古い建屋は江戸時代中期に建てられたもので当時の江戸幕府の参勤交代の際、地方大名御一行様が江戸に向かう際に宿泊する宿坊だったそうです。
すごいですよね。めちゃくちゃロマンがある場所ですよね。ここを訪れた時、胸がキュンキュンしてました(笑)

話は戻って、こんなに古い建物でも軒がきちんとあります。

電気もガスも水道も無い時代に軒がるっていうことは、とても大切なものなんです。

雨から守る

軒は屋根から外壁より伸びています。

これが軒の基本で、雨から外壁を守ってくれます。

『外壁ってそもそも濡れて良いものじゃないの?』という声が聞こえてきそうですが、その通りです。外壁は濡れるものです。

ですが、”雨が掛からないようにできるならそれに越した事はない”のです。

昔の外壁は”木”や”油を多く含ませた漆喰”でした。

水に濡れ、そして乾いてを繰り返すと素材が少しずつ痛みます。これを少しでも和らげるために軒は存在していました。

また、空気中のちりやホコリを含んだ雨が外壁につかないので壁も汚れにくいです。今のサイディング外壁は雨に汚れを落としてもらう特殊塗装を施していますね。

 

暑い太陽の熱を窓から取り込まない

年々夏が長くなってきているような気がします。

去年は12月なのに腕まくりしてエアコンもなしで生活してましたね。

暑い夏に窓から日差しを浴びて「気持ちー!」と思う人はいないと思います。

掃出窓に直接太陽の日が当たるとコタツのヒーター1台分の熱が発生します。
真夏の暑い時期に窓がコタツに変身…想像するだけで汗かきますね(笑)

だからといって窓を無くしてしまうなんて出来ません。

そのために効果的なのは”軒”なんです。真夏の太陽の角度はほぼ真上(角度80°)から降り注いできます。それを上手に遮ってかつ景観も見渡せる。これが軒があると出来ます。

 

寒い冬に室内を一気に暖める太陽

逆に冬になると太陽の日差しを浴びるととても暖かいですよね。

日影と日向では心地よさが全然違います。

寒い時期には太陽の暖かさを家に取り込みたい。

その時に軒は邪魔にならないんです。

冬の時期 太陽は低い位置を通りますので、軒先より低い角度から窓に暖かい日差しを室内へ届けてくれます。

コタツ1台分の暖かさを窓から”無料”でもらえるんです。これは生かしていかないともったいないですよね。

昔の日本住宅はよく考えられていますね。四季があるからこそきちんとした軒を考えないといけませんね。

良い家=お金がかからない家

みなさんよく勘違いされるのが

良い家=お金がかかる でという事です。

これは間違っていて良い家とはお金が掛からない家です。

太陽の力は自然からもらえる無料のエネルギーです。

これを上手に使う”設計力”が工務店選びのポイントであります。

35年間ローンを組んで支払いをしてく上で、ずっとタダでもらえるエネルギーをもらえるか、もしくは無視してもらわないかはお金のかかり方が変わってきます。

”夏は太陽を遮って無駄に室温を上げない!”

”冬は太陽熱を取り込んで効率的に室温を上げる!”

これらは家を建てるで一番の基本ですので忘れないでください。

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